Web制作でよくあるトラブル事例10選と防止策・対処法を徹底解説
Webサイト制作には、トラブルが起こりやすい落とし穴がいくつもあります。
納期遅延や追加費用の請求、思っていたデザインと違う仕上がりなど、Webサイト制作を制作会社に依頼する際は、よくあるトラブルと原因を知っておくことで未然に防ぐことができます。
本記事では、よくあるトラブル事例と防止策を徹底解説し、安心して制作を進めるためのチェックポイントを紹介します。
Web制作はなぜトラブルが多いのか?
Web制作でトラブルが起きてしまう原因は、依頼者側と制作会社側との「認識のズレ」が大きな原因です。
認識のズレが起こりやすい3つの場面に注意しましょう。
Web制作に関する基礎知識の不足
「ちょっとした文章の修正や機能の追加なら、早く簡単にできるだろう」という思いがトラブルの原因です。
Webサイトがどうやってできているのか、ドメインやサーバーとは何なのか、基本となるWeb制作工程の流れや基礎知識を理解しておくと、トラブルを回避できるでしょう。
契約・発注プロセスの不備
よくあるトラブルとして、契約内容や作業範囲が曖昧なまま契約してしまい、追加料金が発生してしまった、納期から大幅に遅れてしまったなど、揉めてしまう場合が多くあります。
依頼する作業範囲を明確にして、契約書をしっかり確認してから契約しましょう。
Webサイト完成イメージの違い
Webサイト制作は、さまざまな工程ごとに仕様を決めていくため、依頼者側と制作者側の完成イメージの不一致が生じる場合があります。
Webサイトの特性上、品質を仕様書段階で明記しづらく、制作作業を進めているうちに想定外の問題が起き、長期間の制作時間がかかってしまうケースも珍しくありません。
そうしたトラブルを防ぐためにも、制作したいWebサイトのイメージをなるべく具体的に制作会社に伝え、認識の違いを無くしましょう。
Web制作で起こるトラブル事例10選と防止策
Webサイト制作で起こりやすいトラブル事例を知り、トラブルを回避しましょう。
防止策と実際に起こったトラブル事例をご紹介します。
修正・追加作業のトラブル
契約前に、修正回数と追加作業に関する料金体系の共有ができていないために起こるトラブルです。
契約書の内容をしっかり確認するようにしましょう。
<トラブル事例>
- 制作中に追加で依頼したい作業ができたので、お願いしたら追加料金を請求された
- 仕上がったWebサイトがイメージと違ったため、修正を依頼したら追加料金が発生した
- 納品後のデザイン修正を断られた
費用の先払いによるトラブル
制作会社の中には、Webサイト制作後の未払いを防ぐために、費用全額払いや半額払いを求められる場合があります。
先払いにより起こるトラブルには以下のものがあり、必ず契約書締結後に支払いを行うこと、返金請求の対応について記載があるかどうか確認することで、回避できます。
<トラブル事例>
- 制作会社が倒産・蒸発してしまい、制作費用が無くなってしまった
- Webサイト制作が途中で止まってしまったが、費用が返金されない
リース契約によるトラブル
Webサイトは本来リース契約できるものではありません。Webサイト制作においては、基本的にリース契約をしないようにしましょう。
<トラブル事例>
- リース契約をしたら高額な費用を請求された
- リース契約を途中解約したいが、できないと言われてしまった
- ホームページ公開後の修正をしてもらえない
解約に関するトラブル
Webサイトの公開前後に起こりやすいトラブルで、Webサイトの仕上がりや運用の成果に満足がいかない場合でも、簡単に解約できずキャンセル料が発生します。
契約前に中途解約に関するルールや運用期間について契約書でしっかり確認し、途中解約する場合は早めに制作会社に連絡しましょう。
<トラブル事例>
- 契約が年単位で決められていて解約できない
- 中途解約できない契約になっていた
- 途中解約で完了している工数分の費用を支払うように言われた
デザイン・品質のトラブル
Webサイト制作で非常に起こりやすいトラブルで、制作費用の安さを優先したり、依頼時に要望を具体的に伝えられたりしていない場合に発生します。
制作会社に依頼する際は、過去の実績を確認してWebサイトの仕様を明確に伝えるようにしましょう。
<トラブル事例>
- 想定していたデザインと大きく異なっていた
- 完成したWebサイトのクオリティが低かった
システム面のトラブル
Webサイトの運用中に起こるトラブルで、迅速な対応が求められます。
システムにエラーが発生した際に、制作会社の誰に連絡を取ればいいのか、分野別に把握しておきましょう。
<トラブル事例>
- デバイスやブラウザによって表示が崩れて見づらい
- Webサイトの表示速度が遅い
- 問い合わせやWebページ表示にエラーが生じる
- セキュリティに問題が発生した
- Webサイトを更新したが反映されない
著作権・所有権のトラブル
Webサイトの著作権は一般的に制作会社が所有しています。完成したWebサイトの著作権について明記されているかどうか、契約書をしっかり確認しましょう。
また、著作権の権利を自社で持ちたい場合は、契約時に著作権の譲渡契約も結んでおきましょう。
<トラブル事例>
- 制作会社を切り替えようとしたら、情報が渡せない、解約後にWebサイトが削除されると言われた
成果に関するトラブル
制作会社も必ず成果を保証できるわけではなく、結果が出ない原因がWebサイトにあるとは断定しづらいため、話がこじれてトラブルになる場合です。
Webサイトの運用もサポートしてくれる制作会社を選ぶことで回避できます。
<トラブル事例>
- Webサイトの運用目標通りに成果が上がらない、費用に見合うほどの効果が出ない
納期遅延のトラブル
Webサイト制作では納期が遅れるトラブルが珍しくないため、進捗状況をこまかく確認するようにしましょう。
納期が遅れる原因として、次のものがあります。
<トラブル事例>
- 制作会社のスケジュール管理不足
- 修正が多く、想定より時間が必要
- デザインや機能の追加
- 依頼者側によるWebサイト制作に必要なコンテンツの遅延
コミュニケーション・対応に関するトラブル
Webサイト制作において、担当者とのコミュニケーションは非常に重要です。
担当者とのコミュニケーションをこまめに行い、認識のズレが起きないように注意しましょう。
制作費用が安い場合は相談事などの業務まで行っていないケースも多いため、安価で制作を請け負う制作会社に依頼しないのも対応策の1つです。
<トラブル事例>
- 修正依頼を断られた
- 相談事に親身になって対応してもらえなかった
- 納品後に急に対応が悪くなった
Web制作会社とのトラブルを防ぐためのポイント
Webサイト制作で起こるトラブル事例を見てきましたが、次の5つの項目に注意すればほとんど防げます。
契約書・作業範囲の明確化
トラブルを未然に防ぐためにもっとも重要です。
契約前に確認することで、作業工程や著作権、途中解約に関するトラブルを回避できます。
制作会社の専門性・実績確認
Webサイト制作を依頼する制作会社が、自社の作りたいWebサイトに合っているのか、専門分野があるのか、制作会社のWebサイトや過去の制作事例を確認してから依頼しましょう。
見積もり比較
複数のWebサイト制作会社から見積もりを取り、比較検討するのがおすすめです。
費用やサービス内容を確認することでトラブルを回避し、より良いWebサイト制作ができるでしょう。
アフターフォロー体制
Webサイト制作後の運用サポートの有無も非常に重要です。
不具合が応じた際のサポート体制、運用費用の確認、無償対応の範囲を確認しておきましょう。
コミュニケーションの工夫
Webサイト制作では、依頼者側と制作者側の認識のズレが大きなトラブルにつながります。
作業段階ごとに内容の確認やデザインイメージをこまかく共有するようにしましょう。
トラブルになってしまった場合の対処方法
Webサイト制作会社とトラブルが起きないように気をつけていても、トラブルになってしまう場合があります。
そのときの対処方法を3つ見ていきましょう。
制作会社の切り替え
トラブル発生時の対応が悪い会社や簡単な修正に何週間も待たされる場合は、制作会社の切り替えを検討しましょう。
特に運用段階に入ってから対応が悪い場合は注意が必要です。
消費生活センターへの相談
消費者生活センターへの相談も有効な対処方法です。
専門の相談員が消費生活全般に関する苦情や問い合わせに対応しており、公正な立場でトラブルへの対応や解決をしてくれるでしょう。
弁護士への相談・依頼
当事者同士での解決が難しい契約や金額に関するトラブルは、弁護士への相談や依頼が有効です。
トラブルへを収束させるためにどのような対応が最適なのか、法的な問題の解決や的確なアドバイスをしてくれるでしょう。
Web制作会社を選定してトラブルを防ごう!
Webサイト制作には、さまざまなトラブルが発生しますが、事前にトラブル事例や対象方法を知っておけば防ぐことができます。
制作会社の選定も慎重に行い、成果の出るWebサイトを制作しましょう。