Webサイト制作の見積もりチェックリスト|費用相場・注意点・発注の流れ
Webサイト制作を依頼するときに欠かせないのが「見積もり」の確認です。
「どこまで費用に含まれるのか分からない」「相場より高いのか安いのか判断できない」といった不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
実際、Web制作の見積もりには進行管理やデザイン、コーディング、SEO対策、運用保守など、多くの項目が含まれます。
この記事では 「Webサイト制作の見積もりチェックリスト」 をもとに、費用相場・注意点・発注の流れを分かりやすく解説します。
初めての方でも安心して制作を依頼できるよう、確認すべきポイントを整理していきましょう。
Webサイト制作の見積もりで確認すべき10項目
Webサイト制作で必要な工程は多岐にわたります。
見積もりに記載される確認すべき制作費を、作業内容と合わせて詳しく見ていきましょう。
進行管理
ディレクション費とも呼ばれ、制作会社がWebサイト制作の進行を管理するための見積もり費用です。
制作するWebサイトの規模に比例して大きくなる傾向があり、制作費用全体の10%が進行管理費になるといわれています。
クライアントへのヒアリング、企画提案、見積書の提出、コンテンツの品質チェック、スケジュール管理などが含まれます。
企画・プランニング
KPI・コンセプト費とも呼ばれ、制作するWebサイト全体の企画を考え、制作の方向性を決めるための見積もり費用です。
Webサイト制作の目的、目標やKPI(重要業績評価指標)、テーマ、ターゲット、コンセプトを決めていきます。
サイト設計
Webサイト全体のデザインを設計するための見積もり費用です。進行管理費に含まれる場合もありますが、制作会社によっては別項目として記載されます。
どのような制作方法を利用するのかを決め、ワイヤーフレームを作成してサイト内容や必要なページ数を設計します。
環境構築
制作したWebサイトを公開するための環境を構築するための見積もり費用です。
サーバーやドメインの設定、セキュリティに関するSSLの設定、WordPressのインストールや初期設定などを行います。
制作会社によっては、コーディング以外の開発部分を環境構築費に含め、CMSの組み込みやお問い合わせ機能、セキュリティ対応まで対応する場合があります。
デザイン
Webサイト全体のデザインに関する見積もり費用です。
どの制作会社も基本的に「ページ数」と「工数・制作日数」で費用が決まります。
トップページの制作とオリジナルデザインは、他のデザイン工程と比べて費用が高くなります。
コーディング
HTML、CSS、JavaScriptなどのプログラミング言語を使用して、コードを記載する作業費用です。
Webサイト上でデザインを表示したり、機能させたりするために必要な工程になります。
デザイン費と同じく、「ページ数」と「工数・制作日数」で費用が決まります。
コンテンツ
Webサイト上に掲載する写真やイラスト、文章や動画などの素材を制作会社に用意してもらう場合に必要になる費用です。
プロのフォトグラファーによる撮影や、モデル、イラストレーターの手配など、専門家への手配を制作会社が代行してくれます。制作会社の中には、素材も制作してくれます。
SEO対策・マーケティング
集客できるWebサイトにするために、SEO(検索エンジン最適化)に強いWebサイトを制作する場合に必要な費用です。
既存のWebサイトのアクセス解析や、今後のSEO対策における戦略設計などが含まれる場合もあります。
運用・保守
完成したWebサイトを安全に運用していくための費用です。
定期的な更新・メンテナンス、セキュリティ対策などが含まれ、継続的に必要になります。ほとんどの制作会社が月額料金制です。
テスト
制作したWebサイトが完成後にちゃんと動くかどうかを確認する費用です。
誤字脱字の有無やお問い合わせ機能の確認、記事やコラムの投稿機能のチェックが含まれます。
Webサイト公開後のチェックもあり、全てのページの動作やリンク、スマートフォンとデスクトップの両方での表示や動作、ページの読み込み速度が適切であるかを確認します。
Webサイト制作の見積書で注意するべきポイント
Webサイト制作では見積もり書の確認が重要ですが、必ず見るべきポイントを5つ解説します。
この5つを確認すれば、制作中にトラブルが発生する可能性を大幅に下げられるでしょう。
わからない項目は質問する
専門用語やイメージできないサービスの記載など、見積書を見てわからない項目があった場合は、必ず確認しましょう。
曖昧にしておくと、あとから必要のないサービスだと判明したり、トラブルに発展したりする危険性があります。
質問をした際の制作会社の対応も、安心して依頼できる制作会社なのか判断できる材料になるでしょう。
納期・備考欄・明記されていない項目を確認する
見積書に納期が記載されているかどうかは、必ず確認しましょう。
Webサイト制作では納期が遅れることは珍しくないため、トラブルの発生を回避するためにもしっかり決めておくことをおすすめします。
また備考欄に、追加料金が発生する条件や免責事項などの重要な条件が提示されている場合があるため、細部まで見積書をチェックしておくと安心です。
閲覧環境の対応範囲や制作会社の体制、Webサイト運用に関する項目など、見積書に明記されないような項目の確認も怠らないようにしましょう。
見積書・提案書を出してもらう
Webサイトの全体像を見積書だけで把握することは難しいため、具体的な内容が記載された提案書も合わせて確認するようにしましょう。
提案書を確認することで、どこまで何をやってもらえるのかが明確になります。
費用だけで依頼先を決めない
費用が安いというだけで依頼する制作会社を決めないように注意しましょう。
安さだけを重視すると、クオリティの低いWebサイトになってしまう可能性があります。
提案書の内容、制作会社の得意分野や特徴、担当者との相性などを踏まえて、総合的に判断することが重要です。
複数の制作会社から見積もりを取る
Webサイト制作を依頼する際は、5~6社ほどの制作会社から見積もりを取るようにしましょう。
見積もりを比較することで、制作したいWebサイトの目的にあった制作会社を選べます。
Webサイト制作の費用相場・抑える方法
Webサイト制作にかかる費用は、サイトの目的、規模、仕様、依頼先によって変わります。
一般的にページ数が少なければ10万円から制作できますが、デザインや機能にこだわると200万円以上かかるケースもあります。
制作したいWebサイトの規模や目的別の費用相場・納期目安を詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
【関連記事】Web制作の納期はどれくらい?|サイト規模別・工程別の期間と短縮方法
制作費用を抑えたい場合は、複数の制作会社の見積もりを比較してみるのがおすすめです。
それぞれの違いを見つけ、わからない項目は質問をして、制作会社に相談や提案をしてみましょう。
また、依頼先によって費用相場は変わってきます。
それぞれの依頼先のメリット・デメリットを把握して、自社にあった制作会社を選ぶようにしましょう。
- Web制作会社
メリット:高い専門性があるため、クオリティの高いWebサイトが制作できます。制作から運用までサポートが充実しており、迅速なトラブル対応も可能です。
デメリット:費用はWebサイトの規模に比例して、高額になります。
- 個人・フリーランス
メリット:Webサイト制作会社より費用を大幅に抑えられます。柔軟な契約形態が可能なため、小規模サイト制作や短納期の案件に適しています。
デメリット:一人で制作を行うため、制作の遅延や、サポートの安定性の低さ、スキルや対応力が限られるリスクがあります。
Webサイト制作の流れ
理想のWebサイトを制作するためには、制作の流れを理解しておきましょう。
適切な流れで制作すれば、制作中のトラブルを回避することにもつながります。
企画の提案
Webサイト制作の最初に行う、もっとも重要な工程です。
Webサイト制作の目的・目標・テーマ・ターゲット・コンセプトの設定、競合調査を行い、制作するWebサイトの方向性を決定します。
要件ヒアリングと見積もりの作成
企画段階で定めた内容に基づき、制作会社との間で要件を明確にし、契約に向けてヒアリングと見積もりの作成を行います。
サイト設計
要件がまとまったら、Webサイトの構成を設計してワイヤーフレームを作成します。
環境構築
Webサイトを公開できる状態にするために、サーバーやドメイン、SSLの設定を行います。
制作・実装
Webサイトに掲載するコンテンツやデザインを制作していきます。
テスト
完成したWebサイトの動作確認を行います。
公開
テストで問題がなければ、制作したWebサイトを公開します。
Webサイト制作の見積書を確認するポイントを知って依頼しよう!
Webサイト制作の見積もりは、ただ金額を比較するだけでは不十分です。
各項目にどのような作業が含まれているかを理解し、わからない点は必ず質問しましょう。
複数社から見積もりを取り、費用相場や提案内容を比較すれば、自社に合った最適な制作会社を選べます。
今回紹介したチェックリストや注意点を活用して、納得できるWeb制作の見積もりを手に入れましょう。